特集 先天性囊胞性肺疾患診療ガイドライン
気管支閉鎖症とCPAM 2型の病理所見
高桑 恵美
1
,
中澤 温子
2
Emi Takakuwa
1
,
Atsuko Nakazawa
2
1北海道大学病院病理診断科
2埼玉県立小児医療センター臨床研究部
pp.125-128
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000034
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はじめに
気管支閉鎖症(bronchial atresia:BA)は,形成された気管支がなんらかの原因によって区域支あるいは亜区域支レベルで閉鎖して生じる形成不全である。盲端となった気管支の末梢肺野は,閉塞に伴う過膨張や大小の囊胞性病変を呈する。先天性肺気道奇形(congenital pulmonary airway malfor-mation:CPAM)は胎生期の肺の形成異常と考えられており,その組織形態から0~4型に分類される。囊胞病変である1型,2型,4型のうち,2型は線毛円柱上皮に被覆された2cm以下の小囊胞病変で,BAや肺葉内肺分隔症(interlobar pulmonary sequestration:IPS)でもしばしば同様の組織像を示し,同一病変に複数の疾患の所見がみられると認識されていた1,2)。
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