特集 外来で役立つ知識:頭頸部・体幹・四肢の疾患
鼠径ヘルニア,大腿ヘルニア
田山 愛
1
,
渡井 有
1
,
佐藤 英章
1
,
中山 智理
1
,
大澤 俊亮
1
,
木村 翔太
1
,
鈴木 孝明
2
,
蛇口 達造
2
Ai Tayama
1
,
Yu Watarai
1
,
Hideaki Sato
1
,
Noriyoshi Nakayama
1
,
Shunsuke Osawa
1
,
Shota Kimura
1
,
Komei Suzuki
2
,
Tatsuzo Hebiguchi
2
1昭和大学医学部外科学講座小児外科学部門
2湘南藤沢徳洲会病院小児外科
pp.56-59
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000014
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はじめに
小児における鼠径部ヘルニアのほとんどが外鼠径ヘルニア(以下,鼠径ヘルニア)であり,小児期に手術を要する疾患のなかでも最も多い。一方,大腿ヘルニアはきわめてまれで,鼠径部のヘルニアのうち約0.1~0.9%の発生頻度である1)。両者とも鼠径部のヘルニア(図1)2)であり,鼠径ヘルニアと診断し手術を行ったが,実際は大腿ヘルニアでヘルニア囊が処理されておらず,術後に再発で気づかれ術前診断が誤っていたという事例があり,頻度は低いが診断時に注意をすべき疾患として大腿ヘルニアがあり,その診断は容易ではない。
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