特集 外来で役立つ知識:頭頸部・体幹・四肢の疾患
臍ポリープ,尿膜管遺残症
益子 貴行
1,2
,
矢内 俊裕
1,2
,
東間 未来
1
Takayuki Masuko
1,2
,
Toshihiro Yanai
1,2
,
Miki Toma
1
1茨城県立こども病院小児外科
2茨城県立こども病院小児泌尿器科
pp.52-55
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000013
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はじめに
滲出液を伴った赤色の臍部腫瘤を認める症例において,新生児期の多くは臍肉芽腫である。鑑別疾患として臍ポリープなど臍腸管遺残症や尿膜管遺残症があがる。臍肉芽腫は頻度が高く日常的に観察されるが,他の鑑別疾患は比較的まれである。乳児期以降には滲出液を自覚したり,臍炎が生じて排膿したり,腹痛精査で施行した超音波検査で発見されたりする。これらの病態のうち外来処置で治癒しうるのは,臍帯動静脈の切離端の肉芽腫様変化である臍肉芽腫であり,ほとんどが硝酸銀処置や結紮で治癒する。一方,外来処置で想定どおりに治らない場合に,上記の鑑別疾患を疑うことになる。
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