特集 小児科医が診る神経発達症:小児科臨床と発達支援のクロスオーバー
各論 神経発達症児を一般診療で診る
起立性調節障害と神経発達症
柳夲 嘉時
1
Yoshitoki Yanagimoto
1
1関西医科大学総合医療センター小児科
pp.1559-1561
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002792
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はじめに
起立性調節障害(orthostatic dysregulation:OD)は,起立に伴う循環動態の変化に対する生体の代償的調節機構がなんらかの原因で破綻して生じたものであり,この機構には循環血液量,心拍出量,末梢血管特性,脳循環調節特性,そして,これらを調節統合する自律神経機能が含まれる。ODはこの機構のいずれかに異常のみられる機能性身体疾患であり,とくに自律神経系による循環調節不全が主要原因である。この結果,起立時に脳血流が低下してさまざまな症状をひき起こす1)。代表的な症状はめまい・たちくらみ,全身倦怠感,頭痛,起床困難,食欲不振などである。ODは思春期に多い疾患であり,症状のために登校に支障をきたすことがある。また,ODは身体疾患であるが,同時に心身症としても発症することや症状が増悪することがある。自律神経が心理社会ストレスによって影響を受けるためである。神経発達症児はその発達特性ゆえに,定型発達児に比べて日常生活による心理社会ストレスを受けやすいことがあり,このためにODの症状が強く出現する可能性が危惧される。ODによる身体症状から不登校に陥ることもあれば,逆に不登校をきっかけとして活動量が低下し,デコンディショニングが進行してODを発症することや,登校すること自体がストレスになって心身症としてのOD症状を呈することもある。

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