Japanese
English
TOPICS 癌・腫瘍学
大腸がん診療における遺伝子関連検査
Genomic tests for colorectal cancer:current status and future perspectives
谷口 浩也
1
Hiroya TANIGUCHI
1
1愛知県がんセンター薬物療法部
pp.1135-1136
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.32118/ayu278131135
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RAS遺伝子変異
切除不能の進行再発大腸がんに対する標準治療は延命目的の薬物療法である.KRASエクソン2(コドン12/13)変異は大腸がんの約40%に認められ,変異陽性例ではキードラッグである抗EGFR抗体薬(セツキシマブ,パニツムマブ)の効果が期待できないことが知られている.さらに,KRASエクソン2(コドン12/13)変異だけでなく,他のKRAS/NRAS変異に対しても同様の結果が確認され,現在,KRAS/NRAS遺伝子エクソン2(コドン12/13),エクソン3(コドン59/61),エクソン4(コドン117/146)遺伝子変異を認めるRAS遺伝子変異陽性例(約55%)では,抗EGFR抗体薬の適応はない.左側結腸・直腸がんでは,抗EGFR抗体薬を一次治療として実施することの臨床的有用性が示されており,RAS遺伝子検査は一次治療開始前に実施することが推奨される(図1).
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