特集 小児科医が知っておきたいリウマチ・膠原病の知識と実践
小児でよくみる膠原病,その他
全身性硬化症(全身性強皮症)
宮前 多佳子
1
MIYAMAE Takako
1
1東京女子医科大学病院膠原病リウマチ痛風センター小児リウマチ科
pp.1306-1311
発行日 2025年10月1日
Published Date 2025/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002720
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はじめに
全身性硬化症(または全身性強皮症,systemic sclerosis:SSc)は,皮膚や臓器の線維化,血管障害,慢性炎症と自己抗体産生を含む免疫異常を併せもつ自己免疫疾患である。
わが国の患者数は5万人程度と推測されている。あらゆる年齢層にみられるが,好発年齢は40~60歳で,男女比は1:8~10と圧倒的に女性に多い傾向がみられる。小児では稀少でSSc全体の1~9%程度と認識されている。本疾患の生命予後に影響を与えうるのは,間質性肺疾患(interstitial lung disease:ILD),肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension:PAH),消化管障害,心筋障害,腎クリーゼなど多臓器の複合病変である。早期診断と病態に基づいた適切な治療選択が予後を左右する。

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