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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
全身性強皮症に関する国内外のガイドラインとしては,まず日本で2004年に厚生労働省強皮症調査研究班(竹原班)より「強皮症における診断基準・重症度分類・治療指針」が策定され1),2007年に一部が改訂された.その後,2010年には,同じく厚生労働省強皮症調査研究班(佐藤班)により,EBMに基づいた新たな「全身性強皮症診療ガイドライン」が作成された.この診療ガイドラインは,そのまま日本皮膚科学会の診療ガイドラインとして承認され,日本皮膚科学会雑誌にも掲載されている2).このガイドラインは主として治療の流れを示す「診療アルゴリズム」と,診療上の具体的な問題事項であるclinical question(CQ)に対する回答・解説を記載した「診療ガイドライン」から構成されている.各CQに対する回答・解説は「推奨文」と「推奨度」の後に詳しい「解説」が付けられている.
欧州ではヨーロッパリウマチ学会(European League Against Rheumatism)の下部組織であるEUSTAR(European Scleroderma Trials and Research Group)が2009年に全身性強皮症の治療に関するrecommendation(推奨)を公表した3,4).なお,作成には18人のエキスパート,2人の患者,3人の文献検索担当者で構成される委員会作成が当たり,日本からは筆者が唯一の皮膚科医,あるいは欧米以外のエキスパートとして参加した.当初,仮の質問がEUSTARの74施設に送られたが,最終的に文献的エビデンスやエキスパートからの意見に基づいて14の推奨事項が発表された.
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