特集 症例から学ぶ! 小児臨床超音波
NICUにおける超音波検査
1. NICUにおける超音波検査
城戸 崇裕
1
KIDO Takahiro
1
1筑波大学附属病院小児内科
キーワード:
新生児
,
未熟児
,
POCUS
,
超音波ガイド下穿刺
Keyword:
新生児
,
未熟児
,
POCUS
,
超音波ガイド下穿刺
pp.348-351
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002668
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はじめに
日本のNICU(neonatal intensive care unit)には,必ずといってよいほど汎用超音波診断装置が置かれており,新生児科医(あるいは小児科医,小児外科医)が,自らベッドサイドエコーを行う文化が少なくとも20年以上前からあった。NICU管理の教科書には“エコー”のページがあり,これは成人ICUやPICU(pediatric intensive care unit)における近年のpoint-of-care ultrasoundに大きく先駆けるものであったが,その内容は心臓超音波のほかは,頭部超音波(周産期脳障害と脳奇形の観察)に加え,腹部超音波は内臓逆位や胆囊欠損などの大きな臓器奇形,副腎出血など限定的なものでしかなかった1)。しかし近年は超音波機器の進歩,小児医療関係者のなかでの腹部を中心とした超音波検査のノウハウの蓄積により,さらに踏み込んだ判断への応用が可能となっている。本章では,これまでの新生児領域の書籍では扱われてこなかった知見をできるだけ詰め込んでいただいた。現在は何をどこまで判断可能なのか,その幅広さと奥行きに,初学者の方にも興味をもって触れていただきたい。

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