これ一冊ですべてわかる消化器超音波検査
Ⅰ 撮像方法(経腹壁超音波および超音波内視鏡検査) ①経腹壁超音波のスタンダードな撮像方法
小川 眞広
1
1日本大学病院消化器内科
キーワード:
POCUS
,
腹部スクリーニング検査
,
25 断面
Keyword:
POCUS
,
腹部スクリーニング検査
,
25 断面
pp.902-908
発行日 2020年8月7日
Published Date 2020/8/7
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001255
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ここでは腹部領域における経腹壁超音波検査のスタンダードな撮影方法について述べる.まず,撮影方法については解剖を熟知して対象臓器をすべて観察することが望まれる.しかし,超音波検査の特徴である消化管ガスや骨の影響により描出不良部位が存在すること,検査前の環境により観察状況が異なること,一回の観察範囲が探触子の幅となるために狭いこと,検者ごとの任意断面の撮影となること,画像保存方法においても静止画保存と動画保存の両者が混在していることなどの理由により客観性の低さが超音波検査の弱点となっている.腹部超音波検査の現状としては検査施設・装置ごとに異なりスタンダードが存在していないといえる.この客観性の低さは第三者の読影を仰ぐ場合にも教育にも影響を及ぼしこれが原因で医師の“超音波検査離れ”が進んでいるともいえる.この客観性の欠如は,撮影方法を標準化することでかなりの部分が解消されるので,重要なことと考えている.現在学会などでも,教育に関しては同じ環境でできるように標準的な撮影方法を決め施行する試みが開始されている.
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