特集 アトピー性皮膚炎―新旧治療のベストバランス
総論 ここまでわかったアトピー性皮膚炎の機序
アトピー性皮膚炎と経皮感作(アレルギーマーチと二重抗原曝露仮説)
森田 久美子
1
MORITA Kumiko
1
1東京都立小児総合医療センターアレルギー科
pp.55-59
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002204
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はじめに
アレルギーマーチは1988年に提唱された概念であるが,その後30年以上の歳月を経て,アトピー性皮膚炎がアレルギーマーチの最初に出現することや,アトピー性皮膚炎が食物アレルギーやそのほかのアレルギー疾患のリスクになることがわかってきた。2008年にLackらが提唱した二重抗原曝露仮説はその後の複数の研究で検証され,バリア機能の破綻した炎症のある皮膚からの経皮的な抗原感作という概念は,アレルギーマーチの進展予防へのアプローチについて考える際の重要な因子となっている。
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