Japanese
English
綜説
皮膚バリアとアレルギーマーチ
Skin Barrier Dysfunction and Allergy March
末廣 豊
1,2
Yutaka Suehiro
1,2
1大阪府済生会中津病院小児科
2大阪府済生会中津病院免疫・アレルギーセンター
1Department of Pediatrics, Saiseikai Nakatsu Hospital
2Center of Allergy and Clinical Immunology, Saiseikai Nakatsu Hospital
pp.457-463
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102474
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はじめに
アレルギーの日常診療で最も頻繁に見かける,乳児期の湿疹/アトピー性皮膚炎(AD),食物アレルギー(FA)/アナフィラキシーは,いろいろな意味で今や社会問題化していると言っても過言ではない.さらに,一人の子がAD,FA,喘息(BA),花粉症と年齢と共にアレルギー症状が変化してゆくアレルギーマーチも日常よく見かける現象であるが,全員が必ずしもこの順番ですべてを経験するとは限らないし,なぜこのような現象が起こるのか不明なことが多かった.一方,皮膚バリアの責任遺伝子フィラグリン変異がAD患者の約1/3で見つかることがわかり,AD治療ではアレルギー反応を抑えることも重要であるが,それ以上に皮膚バリアをケアすることの重要性が強調されるに至った.さらに最近のトピックスとして,①皮膚感作により食物アレルギーが始まる可能性がある,②アレルギーマーチは乳児期の湿疹/アトピー性皮膚炎(AD)から始まる,という報告が増えてきている.このようなパラダイムシフトの過程について解説してみたい.
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