特集 小児科医が知っておくべき子どもの眠り
総論
子どもの眠りに関する問題,教育,治療総論 乳幼児期の睡眠プライマリケア
毛利 育子
1
MOHRI Ikuko
1
1大阪大学大学院連合小児発達学研究科
pp.1179-1183
発行日 2024年8月1日
Published Date 2024/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001787
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はじめに
良質の睡眠は身体発達・免疫力の維持に重要である。また,小児では睡眠の質・量の不足で多動・衝動性,かんしゃくなどの問題行動がひき起こされる。さらに,睡眠は脳発達にも重要であることが明らかとなった。脳の発達が著しい乳幼児期の睡眠はとくに重要であり,乳幼児期の睡眠の問題が後年の発達障害や精神疾患のリスクであることが海外の大規模コホート調査で示されてきている。睡眠に問題がある乳幼児は決して少なくなく,6か月~4歳の子どもの22.9%に睡眠の問題があるとの報告もある1)。小児の睡眠は従来医学部でもほとんど教育されないこと,小児の睡眠の専門家が少ないことなどから,放置されているケースも非常に多い。
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