症例
腎芽腫自然破裂の小児例に対する経カテーテル的動脈塞栓術
前田 昂大
1,2
,
提島 丈雄
1
,
名和 智裕
1
,
澤田 まどか
1
,
高室 基樹
1
,
津川 毅
2
MAEDA Takahiro
1,2
,
SAGESHIMA Takeo
1
,
NAWA Tomohiro
1
,
SAWADA Madoka
1
,
TAKAMURO Motoki
1
,
TSUGAWA Takeshi
2
1北海道立子ども総合医療・療育センター小児循環器内科
2札幌医科大学医学部小児科学講座
pp.871-874
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001693
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
腎芽腫は小児腎腫瘍において最多の悪性腫瘍であり,小児腎原発悪性腫瘍の80%を占める。おおよそ1万人に1人の割合で発症し,わが国では年間100例程度が発生すると考えられている1,2)。小児固形腫瘍の破裂による大量出血は,頻度は高くないもののoncologic emergencyの一つであり,迅速かつ適切な介入が求められる。小児の固形腫瘍破裂出血に対しての経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)は体格や血管径の問題や実施可能施設が限られるという側面があるが,出血制御が難しい場合などに対しては全身状態の安定化に寄与し,有効な治療選択肢となり得ると考えられる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.