Japanese
English
特集 内科医が診る 大人になった先天性心疾患―Adult Cogenital Heart Disease(成人先天性心疾患)
成人先天性心疾患の妊娠出産―一般の妊娠出産とどのように違い,どう対応するか
Pregnancy Complicated with Congenital Heart Disease: Risk Assesment and Management
神谷 千津子
1
Chizuko Kamiya
1
1国立循環器病研究センター周産期・婦人科
1Department of Perinatology and Gynecology, National Cerebral and Cardiovascular Center
pp.216-223
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102168
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
近年,外科手術をはじめとした循環器医療や新生児医療の発展に伴い,先天性心疾患を持つ女性の多くが生殖年齢に達し,妊娠を希望するようになった.多くの場合で心血管合併症なく妊娠出産を終えるが,一部の女性においては,母児の生命を脅かす非常にリスクの高いものとなる.母体死亡原因調査を国家レベルで行っている英国において,先天性心疾患合併妊娠による母体死亡は減少傾向にあるとはいえ,依然ゼロではない.わが国においても,マルファン症候群や肺高血圧症合併の母体死亡報告が,毎年のようにされている.また,以前は妊娠を考慮すらしなかったような複雑心奇形においても,Jatane術やFontan術などの登場により,一部で妊娠可能となってきている.これらハイリスク例の周産期管理においては,妊娠における循環動態の変化を理解したうえで,産科,小児循環器科,循環器科,麻酔科,心臓外科,遺伝科など,複数の科が連携したチーム医療が必須である.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.