特集 完全把握をめざす小児の心疾患
症候群
【コラム】小児循環器分野の教育―教育プログラムの紹介
金 成海
1
KIM Sung-Hae
1
1静岡県立こども病院循環器科
pp.621-622
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001623
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小児科学のなかでも,小児循環器はメジャーな分野の一つとされていますが,医学部や初期研修で割り当てられる期間は必ずしも多くありません。小児科専攻医(旧後期研修医)でも小児循環器に携わる期間は限られているのではないでしょうか。筆者の所属する静岡県立こども病院においては小児科専攻医から研修を受け付けており,3年間各診療科や県内一般小児科のローテーションや海外短期留学などが提供されています。そのなかで,循環器科の研修期間は希望により1名2か月前後で選択されています。もとより,小児循環器疾患においては,身体所見の取り方や心エコー,心臓カテーテルといった検査が特殊技能のように感じられ,重症で急を要する場面に遭遇することも多くあります。そのような背景もあり,小児科専門医であっても苦手としていることが少なくありません。それは,この分野の診断法や治療法が大きく進歩をし始めた1980年代から変わらない傾向ですが,現在ではあまりにも細分化,高度化してきたため,研究臨床双方において,小児循環器をサブスペシャリティーとする医師,すなわち小児循環器専門医へ完全に委ねられているといっても過言ではないでしょう。
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