特集 完全把握をめざす小児の心疾患
症候群
RAS/MAPK症候群
前田 潤
1
MAEDA Jun
1
1東京都立小児総合医療センター循環器科
pp.607-612
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001620
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はじめに
細胞内シグナル伝達経路であるRAS/RAF/MEK/ERK経路(RAS/MAPK経路)に関与する遺伝子の病的バリアント(変異)が,成長障害,相対的大頭,先天性心疾患,心筋症,精神発達遅滞など,類似した表現型を呈する疾患群の原因になることが明らかにされ,これらを包括して,RAS/MAPK症候群またはRASopathiesと総称されるようになった。RAS/MAPK症候群では,RAS/MAPK経路の20以上の遺伝子バリアントが報告され,同じ症候群でも複数の責任遺伝子が同定されていることが特徴である。
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