特集 これからの学校医~いろいろな子ども集団との連携
各論
先進的な取り組みの紹介 神経発達症の児童とのかかわり方と教員への指導法
三木 崇弘
1
MIKI Takahiro
1
1恵風会高岡病院
pp.403-406
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001568
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はじめに
筆者は神経発達症を主な専門とする児童精神科医であり,かつ学校現場でスクールカウンセラーとして働いていた経験がある。中から見る学校現場はとても興味深く,数十人の子どもたちをまとめながら学習を進めていく教員のスキルは圧巻であった。また学校は子どもにとっては生活場面であり,そこで起きる “暮らしにまつわる問題” すなわち忘れ物,準備の遅れ,対人トラブルなどの問題についても,ある意味では親代わりとなって子どもたちと向き合う教員たちに尊敬の念を禁じ得なかった。しかしそもそも彼らは教員であって,子どもの心理・行動面の問題対応を専門とはしていない。これらの問題が増加すればするほど教員は本来の業務である学科教育に割ける時間が減ってしまう。そこで私たち学校医の出番となるのだが,学校において学校医が果たせる役割とは何なのかを考察する。
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