連載 世界のフィールドから 健康づくりはボーダレス・14
イギリスの児童虐待への取り組み
岡田 由香
1
1神戸大学発達科学部
pp.790-792
発行日 2000年9月10日
Published Date 2000/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902264
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
現在の小児医療では,子どもたちを身体面のみならず,心理・社会的な面からもとらえて対応せねばならない状況が差し迫っています。また,母子保健では,子どもの健康な情緒発達を保障.促進していく発達支援のあり方が重要課題の1つといえます。
私の専門領域は,これらの問題・課題に対応する小児科学である発達行動小児科学です。1990年以来,神戸大学附属病院小児科において,これらの問題に悩む子どもたちの診療をしており,また,兵庫県三田市の保健所や保健センターでの育児支援の一員としても関わっています。1人ひとりの子どもたちへの支援方針を決定するためには,保健婦さんをはじめ,心理士さんや理学療法士さんたちとのケースカンフアレンスを開き,地域の医療.保健サービスの実情について,保健婦さんたちから学んでいます。このたび,イギリスに数か月在住する機会を得たので,「児童虐待への取り組み」を中心に,私の経験をいくつか報告いたします。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.