特集 これからの学校医~いろいろな子ども集団との連携
各論
先進的な取り組みの紹介 コロナ禍およびポストコロナにおける学校医の取り組み
川上 一恵
1
KAWAKAMI Kazue
1
1かずえキッズクリニック
pp.397-402
発行日 2024年3月1日
Published Date 2024/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001567
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はじめに
2019年末に中華人民共和国(中国)の武漢で報告された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,その後100年に1度といわれる世界的流行(パンデミック)となった。わが国では2020年1月に最初の症例が認められ,2月に横浜に寄港した大型クルーズ船の乗客における集団感染は542名に及び,当時中国以外の国で報告された患者数では最多であった。同年2月27日に開催された新型コロナウイルス感染症対策本部において,「今がまさに感染の流行を早期に終息させるために極めて重要な時期であることを踏まえ,何よりも子供たちの健康・安全を第一に考え,多くの子供たちや教職員が,日常的に長時間集まることによる感染リスクに予め備える観点から,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校における全国一斉の臨時休業を要請する」という方針が内閣総理大臣によって示された1)。2020年3月2日から春休みに入るまでの期間が臨時休業とされたが,実際にはそのまま春休みを経て,4月16日に出された緊急事態宣言を受け感染者が少ない地域は4月末まで,患者数が増加傾向にあった東京都では5月末まで休校措置が継続された。
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