特集 小児内分泌を楽しく学ぼう
ガイドライン,診断・治療の手引きをどう利用するか?
小児糖尿病
松井 克之
1
MATSUI Katsuyuki
1
1滋賀県立小児保健医療センター内分泌代謝糖尿病科
pp.223-227
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001517
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はじめに
わが国における糖尿病診療のガイドラインとしては2019年発行の『糖尿病診療ガイドライン2019』(日本糖尿病学会編)があり1),小児を対象としたものとしては2015年発行の『小児・思春期糖尿病コンセンサス・ガイドライン』がある2)。これらはいずれも2024年中に改訂版が発行されることになっている。また,小児に関しては国際小児思春期糖尿病学会(ISPAD)のガイドラインがあり3),ほぼ4年ごとに改訂されており,最新版は2022年に発行された。わが国のガイドラインもこのガイドラインに概ね準じている。糖尿病におけるガイドラインの記載内容は,病態,疫学,診断,治療,急性期・慢性期合併症などほかの疾患のガイドラインと同様のものに加えて,シックデイや患者教育,心理社会的支援などが加わる。さらに病型が1型糖尿病,2型糖尿病,その他の特定の機序・疾患による糖尿病(その他の糖尿病)など多岐にわたるため,ガイドラインは1冊の本に相当する分量となり,すべてのポイントを解説することは不可能である。このため本稿では,現時点でもっとも新しいISPADガイドラインを中心に3),とくに抑えておくべき点に焦点を当てて解説する。
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