特集 小児・思春期糖尿病アップデート――診断・治療から生活のサポートまで
Ⅱ 診断・治療と管理
4.2型糖尿病
松井 克之
1
1滋賀県立総合病院小児内分泌代謝糖尿病科(旧 滋賀県立小児保健医療センター)
pp.24-28
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000003326
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
2型糖尿病は小児期発症というだけで特殊な糖尿病であり,発育発達の時期でもあることから,専門性の高い医療が必要となる.病態や環境から晩期合併症のリスクは小児期発症1型糖尿病よりも高い.発症には遺伝的要因(インスリン分泌能や抵抗性)と生活・環境的要因(運動量減少,過食,肥満,思春期,妊娠,加齢など)が相互作用する.日本人はインスリン分泌能が白人よりも弱く,より軽度の生活・環境的要因の負荷でも発症する.治療は食事運動療法を基本とし,必要によって薬物療法,インスリン治療を行うが,最も重要なのは心理社会的ケアである.スティグマ(負の烙印,偏見)も問題視されており,患者に寄り添ったかかわり方が重要である.
Copyright © 2025, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.