特集 小児内分泌を楽しく学ぼう
ガイドライン,診断・治療の手引きをどう利用するか?
小児がん経験者(CCS)
内海 孝法
1
,
岡田 賢
1
UTSUMI Takanori
1
,
OKADA Satoshi
1
1広島大学大学院医系科学研究科小児科学
pp.228-232
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001518
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はじめに
小児がんとは,一般に0~14歳に発生するがんの総称である。わが国の小児がん年齢調整罹患率は10万人当たり16.7人であり,年間約2500人が新規発症している1)。近年にみるがん治療の飛躍的な発展により,小児がん患者の8割以上が長期生存できる時代となった2)。一方,がんを克服した「小児がん経験者(childhood cancer survivors:CCS)」の増加に伴い,多くのCCSが原疾患やその治療に起因する晩期合併症(late effects)を抱えて生活している実態が明らかとなってきている。実際にCCSの6割以上がなんらかの晩期合併症を保有しており,合併する疾患の種類や重症度もさまざまである3)。内分泌代謝障害はもっとも頻度の高い晩期合併症の一つであるとともに,原疾患発症時あるいはがん治療中にも問題となりうるため,小児がん患者の全過程において注意が必要である4,5)。
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