症例
非典型的症状を伴いビデオ脳波同時記録が診断に有用であった発作性運動誘発性ジスキネジアの1例
新谷 研
1
ARAYA Ken
1
1市立池田病院小児科
pp.1823-1828
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001401
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はじめに
発作性運動誘発性ジスキネジア(paroxysmal kinesigenic dyskinesia:PKD)は,主に急な四肢の自発動作にて四肢の不随意運動が誘発される1)疾患であり,2004年にBrunoらが診断基準(表)を提唱し2),しばしば臨床診断に用いられている3~6)。PKDの症状コントロールのための抗てんかん薬としてカルバマゼピン(carbamazepine:CBZ)がしばしば用いられる4~9)が,眠気やめまいおよび薬疹などの副作用にて投与中止となる症例も散見される4,5,9)。一方,ラコサミド(lacosamide:LCM)は,わが国では2019年に4歳以上の小児に対する適応が承認された歴史の浅い抗てんかん薬だが重篤な副作用が少ないなどの特徴をもち10),PKDにおける使用報告も散見される5,11~13)。
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