連載 Medical Scope
遅発性ジスキネジア
楠戸 惠介
1
,
竹内 啓善
2
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室/国立病院機構千葉医療センター
2慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 講師
pp.59-65
発行日 2021年12月24日
Published Date 2021/12/24
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.39.12_0059-0065
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本稿では,まず,遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia:TD)の定義,分類,診断基準と重症度評価について解説する。最近のメタアナリシスでは,第2世代抗精神病薬は第1世代抗精神病薬と比べてTDの有病率と発生率が低いこと,クロザピンへの切り替えによりTDが改善することが示されている。抗精神病薬は用量依存的にTDを惹起するかどうかについては,最近のレビューでは結論づけられないとしている。TDにおける危険因子として,高齢,女性,人種,遺伝子多型,気分障害などがある。TDの発現機序はいまだ解明されていないが,二大仮説であるドパミン受容体過感受性仮説と酸化ストレス仮説を中心に説明する。
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