Japanese
English
研究と報告
遅発性ジスキネジアのCT研究
CT Study in Tardive Dyskinesia
高宮 真樹
1
,
田上 聡
1
,
佐久間 啓
1
,
中里 弘
2
,
伊藤 斉
1
Maki Takamiya
1
,
Akira Tanoue
1
,
Kei Sakuma
1
,
Hiroshi Nakazato
2
,
Hitoshi Itoh
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
2精神医学研究所付属東京武蔵野病院心理室
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
2Tokyo Musashino Hospital
キーワード:
Tardive dyskinesia
,
Computerized tomography
,
Basal ganglia
,
Density
,
Lobotomy
Keyword:
Tardive dyskinesia
,
Computerized tomography
,
Basal ganglia
,
Density
,
Lobotomy
pp.265-272
発行日 1987年3月15日
Published Date 1987/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204299
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抄録 中等度の遅発性ジスキネジアを有する精神分裂病入院患者15例のCT所見を,これと性,年齢,病型,罹病期間,抗精神病薬投与期間・総投与量等に有意差のない対照群18例のそれと比較検討したところ,尾状核頭部とレンズ核の面積およびdensity,両側尾状核間の最小距離,第3脳室の最大幅,VBR等のすべての計測項目について,両群間に有意差はなかった。次に,対象全例をロボトミーの有無で2群(有5例,無28例)に分けて比較検討したが,両群間のすべての計測項目に有意差はなかった。これらの結果に若干の文献的考察を加えた結果,遅発性ジスキネジア発現における個体側因子としての基底核を含む脳器質的変化の識別は,今回のような中等度の症状を有する症例については,現在のCTでは困難と思われた。
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