連載 Medical Scope
遅発性ジスキネジアの病態に関するトピックス
冨山 誠彦
1
1弘前大学大学院医学研究科脳神経内科学講座(教授)
pp.72-76
発行日 2025年3月10日
Published Date 2025/3/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.01_0072-0076
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遅発性ジスキネジアの発現機序として、抗精神病薬の投与によって、ドパミンD2受容体が過感受性を獲得するドパミン過感受性仮説、GABA仮説、酸化ストレス仮説などが提唱されてきた。なかでもドパミン過感受性仮説が有力で、バルベナジンによる治療はこの仮説に基づいている。しかしながら、ドパミン過感受性仮説では遅発性ジスキネジアが抗精神病薬の投与中止後も長く持続することを説明できない。最近、ドパミン受容体遮断後のドパミンの変動が遅発性ジスキネジアを引き起こすTwo-Hit仮説が提唱された。本稿では、これらの仮説を概説する。

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