特集 知っておきたい周産期・新生児医療up to date
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先天性サイトメガロウイルス感染症に対する抗ウイルス薬治療と新生児マススクリーニングへの展開
森岡 一朗
1
MORIOKA Ichiro
1
1日本大学医学部小児科学系小児科学分野
pp.1799-1802
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001395
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はじめに
妊娠中にサイトメガロウイルス(cytomegalovirus:CMV)感染を起こすと,胎児感染にいたり,出生児は先天性CMV感染をひき起こすことがある。古くからTORCH症候群(toxoplasma,others,rubella,cytomegalovirus,herpes)の一つとして知られている。先天性CMV感染症の一部は,後述する症状を有して出生し(症候性感染症),難聴,精神運動発達遅延,脳性麻痺,てんかん,知的障害などの重度の神経学的後遺症を高率に残す。一方,出生時に無症状(無症候性感染)であっても,数か月から数年経って遅発性に難聴,言語発達遅滞,自閉スペクトラム症などの神経発達症を発症することがある1,2)。
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