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はじめに
近年,国内外においてさまざまな医療分野で診療ガイドラインの作成が行われてきている。昔は,標準的な診療ガイドラインの作成方法はそれほど決まったものがあるわけでなく,その医療分野の専門家たちが集まって,それぞれのやり方で,科学的根拠(エビデンス)を集め,ガイドラインを作成していることが多かった。しかし,2000年に発足したGrading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)ワーキンググループにより,系統的レビューや診療ガイドラインの作成方法の提言が出版されるようになって以降,急速に世界的にGRADEの手法に基づいた標準的な方法で科学的根拠に基づく診療ガイドラインの作成が行われるようになってきている1,2)。筆者自身も作成に参加している,5年ごとに改訂される国際蘇生協議会(ILCOR:International Liaison Committee On Resuscitation)の国際新生児ガイドラインの作成においてもGRADEの手法が採用されている3)。日本においては,日本医療機能評価機構が2002年度からEBM(evidence-based medicine)普及推進事業として,Minds(medical information network distribution service)を開始し,2014年にGRADE法を中心とした世界標準の診療ガイドライン作成方法をふまえたうえで,日本の医療に適した診療ガイドライン作成方法として,『Minds診療ガイドライン作成マニュアルver. 1.0』を刊行しており,その最新版が『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver. 3.0』として刊行されている4)。
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