増刊号 周産期診療のための病態生理
[新生児編]
蘇生
新生児蘇生で人工呼吸開始時に正期産児もしくは早産児で,それぞれ空気および低濃度の酸素で換気するのはなぜか
諫山 哲哉
1
ISAYAMA Tetsuya
1
1国立成育医療研究センター新生児科
キーワード:
新生児蘇生
,
人工呼吸
,
酸素投与
,
初期酸素濃度
,
SpO2
Keyword:
新生児蘇生
,
人工呼吸
,
酸素投与
,
初期酸素濃度
,
SpO2
pp.591-593
発行日 2023年12月28日
Published Date 2023/12/28
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001378
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新生児蘇生(酸素投与)の治療
酸素投与は医療の現場で最も多く使用されている治療の一つであり,酸素投与により多くの命が救われている。以前までは,新生児蘇生においてもルーティーンで酸素投与が行われており,多くの国際的な蘇生ガイドラインにおいても推奨されていた。しかし,1970~90年代に酸素投与の有害性を示唆する動物実験や臨床研究が報告されるにつれ,新生児蘇生におけるルーティーンの酸素投与の有効性と安全性が疑われるようになってきた1)。世界保健機構(WHO)では,1998年の通常の新生児蘇生では室内気(21%酸素)を使用するように推奨しており,国際蘇生連絡委員会(ILCOR)においても,2010年から正期産児の新生児蘇生では21%酸素から開始することを推奨している1)。
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