Japanese
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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
急性中耳炎
Acute otitis media
安井 拓也
1
Takuya Yasui
1
1帝京大学医学部耳鼻咽喉科
キーワード:
副鼻腔炎
,
薬剤耐性
,
耳痛
,
鼓膜所見
,
発熱
Keyword:
副鼻腔炎
,
薬剤耐性
,
耳痛
,
鼓膜所見
,
発熱
pp.382-385
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001253
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1 疾患概念
急性中耳炎は小児期によく罹患し,耳鼻咽喉科に限らず小児科などでもよく遭遇する幼少期に発熱をひき起こす重要な疾患である。持続期間が3週間以内で急性に発症する中耳の感染症で,耳痛,鼓膜の発赤・膨隆,水疱形成,膿の貯留,耳漏などさまざまな所見を呈する。細菌感染が主であり,肺炎球菌(Streptcoccus pneumoniae),インフルエンザ桿菌(Haemophilus influenzae),モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)が3大起炎菌である。感染は一部血行性に起こす症例や外耳道から鼓膜穿孔などをとおして感染が起きる症例もあるが,副鼻腔炎などの鼻腔内の炎症が経耳管的に波及して中耳まで及ぶ症例が多い。そのため通常鼻腔奥から検出される細菌が起炎菌となっている。世間で耳に液体が入って中耳炎になるということがよくいわれるが,外耳道は上皮のため,水をはじく。そのため穿孔がある場合を除いて外耳道側からの感染によりおこる耳痛は通常中耳炎ではなく外耳道炎によるものが主である。
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