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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
B.感染症
感染性結膜炎
Infectious conjunctivitis
内尾 英一
1
Eiichi Uchio
1
1福岡大学医学部眼科学講座
キーワード:
感染性結膜炎
,
細菌性結膜炎
,
アデノウイルス結膜炎
,
クラミジア結膜炎
,
淋菌性結膜炎
Keyword:
感染性結膜炎
,
細菌性結膜炎
,
アデノウイルス結膜炎
,
クラミジア結膜炎
,
淋菌性結膜炎
pp.379-381
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001252
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1 疾患概念
感染性結膜炎は種々の病原体により発症するものであり,細菌,クラミジアおよびウイルスなどによって生じる。細菌性結膜炎は多くの細菌が原因となるが,グラム陽性菌では黄色ブドウ球菌,肺炎球菌,コリネバクテリウム,グラム陰性菌ではインフルエンザ菌,プロピオニバクテリウム,淋菌などが多くを占めている。小児ではインフルエンザ菌,肺炎球菌,成人では黄色ブドウ球菌,淋菌,連鎖球菌が多い。クラミジア結膜炎の原因は通常Chlamydia trachomatisであり,小児では新生児にみられる。ウイルス性結膜炎の原因となるウイルスはアデノウイルス(adenovirus:AdV),エンテロウイルスおよび単純ヘルペスウイルスである。AdV結膜炎は流行性角結膜炎(epidemic keratoconjunctivitis:EKC)と咽頭結膜熱(pharyngoconjunctival fever:PCF)とがある。PCFは小児が夏季にプールで流行するプール熱として知られており,小児感染症としてとくに重要である。EKCは厚生労働省の眼感染症サーベイランスによると,わが国では年間約90~130万人が罹患すると考えられている1)。
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