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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅰ.総論
PK/PD理論に基づいた抗菌薬の有効な使い方
Effective use of antimicrobial agents based on PK/PD theory
齊藤 順平
1
Jumpei Saito
1
1国立成育医療研究センター薬剤部
キーワード:
抗菌薬
,
PK/PD理論
,
耐性菌
Keyword:
抗菌薬
,
PK/PD理論
,
耐性菌
pp.24-28
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001176
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抗菌化学療法における薬物動態学/薬力学(pharmacokinetics/pharmacodynamics:PK/PD)とは,抗菌薬の曝露量と効果(抗菌作用)の関係性を表し,有効性と安全性の観点から最適な用法用量を設定し,効果的かつ安全に使用するための考え方である。小児においてPKは,発達による体液組成や臓器機能の変化,敗血症の重症度,腎機能,肝機能など,さまざまな因子の影響を受ける。また目標とするPK/PDパラメータの指標は,抗菌薬の種類,菌種,感染巣,重症度によっても異なり,症例ごとに適切な投与設計が望まれている。有効性のみならず,耐性菌抑制のためにも,PK/PD理論に基づいた適切な投与設計が求められている。また成人と同様のPK/PDパラメータが小児に外挿可能かどうかは不明である場合もあり,今後の研究が期待されている。
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