特集 腎・泌尿器疾患―血尿から移植まで
ガイドラインの解説
IgA腎症
服部 共樹
1
,
漆原 真樹
1
HATTORI Tomoki
1
,
URUSHIHARA Maki
1
1徳島大学病院小児科
pp.1107-1111
発行日 2023年7月1日
Published Date 2023/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001001
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はじめに
小児IgA腎症は,成人・小児問わずわが国の慢性糸球体腎炎のなかでもっとも頻度が高く,小児腎臓病領域でも非常に重要な疾患の一つである。日本小児腎臓病学会は,小児IgA腎症に関してよりよい医療の提供に役立つことを目的に,2007年に「小児IgA腎症治療ガイドライン1.0版」(ガイドライン1.0版)1)を,薬物療法を中心に作成・公表した。その後10年以上が経過し,多くの新しいエビデンスが蓄積され,薬物療法だけでなく,疾患概念と診断,疫学と予後,病理分類・臨床分類,遺伝学的背景および成人期への移行医療などに関するガイドラインの必要性も考慮されるにいたった。そこで『小児IgA腎症診療ガイドライン2020』(ガイドライン2020)2)として改訂された(図)2)。ガイドライン2020は,小児腎臓病を専門とする医師のみならず成人の腎臓専門医,さらに一般小児科医や成人診療科の先生方の日常診療に大いに役立つよう「小児IgA腎症診療ガイドライン2020」作成委員会が,「Minds診療ガイドライン作成の手引き2014」および「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2017」に従って作成したものである。
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