病気のはなし
IgA腎症
甲斐 平康
1
,
小山 哲夫
2
1筑波大学臨床医学系内科(腎臓)
2筑波大学臨床医学系内科
pp.1104-1107
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905571
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
新しい知見
IgA腎症はその疾患概念が提唱されてからおよそ30年が経過した.当初は緩やかな経過をたどる予後良好な疾患と考えられてきたが,その後の経過観察から,本症は以前考えられていたよりも進行性であり,現在は予後不良な慢性糸球体腎炎としてとらえられることが多い.また,その発症,進展に関する知見に関しては不明な点が多く,今後の研究が待たれるところであるが,近年,腎不全進展に関与する遺伝的背景の存在として,アンギオテンシン変換酵素遺伝子多型の関与が明らかになるなど,その遺伝的背景に関しても注目されている.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.