特集 小児の心身症~いま改めて心身相関を考える~
各論:診療の実際
機能性消化管疾患
奥見 裕邦
1,2
OKUMI Hirokuni
1,2
1医療法人医方会奥見診療所
2大阪総合医学・教育研究会附属親と子の診療所
pp.993-998
発行日 2023年6月1日
Published Date 2023/6/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000965
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
機能性消化管疾患(functional gastrointestinal disorders:FGIDs)は,非器質性の消化管病変をまとめた概念として,世界的に有名なローマ分類第4版(Rome Ⅳ)を中心に,より細分化された機能性の病態が定義されている。かつてハンガリーの精神分析学者Franz Alexanderがその著書『心身医学』で定義した心身医学的内科疾患(7 Holy Disease)のうち,消化器疾患として消化性胃十二指腸潰瘍と潰瘍性大腸炎が挙げられていたが,酸分泌抑制剤や免疫抑制剤など薬物治療の発達により本分野で下火になると,これに代わって機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群などFGIDsがその中心となり現在にいたる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.