Japanese
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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅵ.発達障害,心身症,精神疾患
20.不登校
School absenteeism
松島 礼子
1
MATSUSHIMA Reiko
1
1清恵会病院小児科
pp.791-796
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000653
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はじめに1)
不登校とは,文部科学省の統計では「連続あるいは断続して長期欠席した児童・生徒のうち,何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因により登校しない,あるいはしたくともできない状況にある者(だたし「病気」や「経済的理由」「新型コロナウィルスの感染回避」による者を除く)」とされている。長期欠席を年間30日以上と定めた平成3年度以降,不登校児童・生徒は年々増加し,平成13~24年度は一時的に横ばいとなったが,平成24年度以降は再び増加が続いている(ただし,平成13年度からの一時的な横ばいは,適応指導教室の増加や保健室,学校以外の学習も出席にカウントされるためとの指摘もある)。令和2年度の統計では,小学生100人に1人(1.00%),中学生24人に1人(4.09%)が不登校である(図1)1)。学年別では,小学1年生~中学2年生まで学年が上がるにつれて増加している(図2)1)。不登校に対する指導,相談を受けているのは,学校内(養護教諭,スクールカウンセラーによる専門的なもの)が47.2%,学校外(教育支援センター,医療機関,児童相談所など)が37.5%である。診療所,病院で対応しているのは全体の14.0%で,学校外の機関としてはもっとも多い。しかし,「指導の結果登校する,または登校できるようになった児童生徒」は小,中学生ともに28%程度にとどまり,学校内外の介入があっても不登校が長期にわたる児童生徒が多いことがうかがえる。
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