Japanese
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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅳ.筋疾患
18.周期性四肢麻痺
Periodic paralysis
馬場 信平
1
BABA Shimpei
1
1国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科
pp.563-569
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000612
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1 基本病因,発症機序
周期性四肢麻痺(periodic paralysis:PP)とは,発作性の骨格筋の脱力・麻痺を繰り返す疾患群である。臨床上は発作時の血清カリウム値により低カリウム性周期性四肢麻痺(hypokalemic periodic paralysis:HypoPP)と高カリウム性周期性四肢麻痺(hyperkalemic periodic paralysis:HyperPP)に大別され,それぞれ遺伝子異常に起因する一次性と,甲状腺機能亢進症をはじめとした他疾患や薬剤などに起因する二次性とに分類される1)。一次性のPPは,骨格筋細胞膜に発現するカルシウムチャネル,ナトリウムチャネル,カリウムチャネルの遺伝子変異に起因する筋細胞膜の興奮性の異常が本態と考えられており,類似した病態生理を有する先天性ミオトニア/パラミオトニアとともに “筋チャネル病” と呼称される(図1)1)。本稿ではおもに一次性のPPについて述べる。
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