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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅴ.骨・運動器疾患
1.骨成長
Bone growth
難波 範行
1
NAMBA Noriyuki
1
1鳥取大学医学部周産期・小児医学分野
pp.572-577
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000613
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はじめに
骨は生理的に3つの役割を担う。すなわち,①全身の形態を保持する骨格として,運動を支持し,重要臓器を保護するとともに②カルシウム,リンなどのミネラルを貯蔵し,③造血幹細胞,間葉系幹細胞の供給源となる骨髄を内包する。従来,骨はホルモンや栄養状態などに受動的に応答するのみの臓器と思われてきたが,最近の研究によって,力学的な必要性に応じてダイナミックに変化・適応していく臓器であることが明らかになった1)。とくに,胎児期~思春期は,骨の発生から骨の成長(長軸方向および短軸方向),さらには骨石灰化による骨量の獲得によって,骨がヒトの一生の中でもっとも大きく変化する時期に相当する。本稿では骨・運動器疾患の理解に必要な骨成長の生理学について概説する。
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