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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
15.自己抗体介在性脳疾患―抗NMDA受容体脳炎など
Autoantibody-mediated disorders of the central nervous system―Anti-N-methyl-D-aspartate receptor(anti-NMDAR)encephalitis etc. ―
小俣 卓
1
OMATA Taku
1
1千葉県こども病院神経科
pp.314-318
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000565
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はじめに
近年の抗体検出技術の進歩は,脳炎,精神疾患,けいれん発作,運動障害および認知障害などの診断に応用されている。とくに抗NMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体抗体に代表される神経細胞表面またはシナプスタンパク質に対する自己抗体は「ニューロン表面抗体」(neuron surface antibody:NSA)として注目されている1)。NSAによる自己免疫性脳炎の病態の研究では,自己抗体が受容体の内在化を誘発するか,抗原結合部位をブロックし,ほかの受容体を減少させることを示している2)。これらの抗体が除去されると可逆的な経過をとり,自己免疫性脳炎患者の免疫治療に対する反応性が良好であることを説明できる。
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