Japanese
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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅲ.神経疾患
16.脳膿瘍,硬膜下膿瘍
Brain abscess, Subdural abscess (empyema)
笹澤 裕樹
1
,
細川 直登
2
SASAZAWA Hiroki
1
,
HOSOKAWA Naoto
2
1市立大町総合病院内科
2医療法人鉄蕉会亀田総合病院感染症科
pp.319-323
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000566
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1 基本病因,発症機序
小児における脳膿瘍はまれな疾患であり,結果としてそのマネジメントは大部分が臨床経験やケースシリーズの結果に基づいて行われている。脳膿瘍全体の25%が15歳未満の小児とされ,過去の報告では4~7歳にピークがあるとされていたが1),近年では1.5歳と11.0歳にピークがある二峰性の分布という報告がある2)。わが国での正確な発生数は統計がないため不明であるが,海外では10万人あたり0.3~1.3人という報告がある3)。大部分の患者では素因があり,基礎疾患(HIV感染など),免疫抑制薬治療,脳周囲の自然防御機構の破綻(手術,外傷,乳突蜂巣炎,副鼻腔炎,歯性感染),または全身の感染源(心内膜炎,菌血症)により生じる。
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