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増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅱ.先天代謝異常
26.Niemann-Pick病―酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症とNiemann-Pick病C型
Niemann-Pick diseases; Acid sphingomyelinase deficiency (ASMD)and Niemann-Pick disease type C (NPC)
高橋 勉
1
TAKAHASHI Tsutomu
1
1秋田大学大学院医学系研究科医学専攻小児科学講座
pp.179-184
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000540
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はじめに
Niemann-Pick病は,1914年にドイツの小児科医Albert Niemannが,著明な肝脾腫と急速に進行する神経退行から1歳6か月で死亡したユダヤ人乳児を初めて報告し1),1927年にLudwig PickによりGaucher病2型との違いが示され命名された。以降,非神経型が報告され,1961年にはA~Dの4型に分類された。その後,A型とB型は酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症(acid sphingomyelinase deficiency:ASMD)であることが示された。一方,C型とD型は,低比重リポ蛋白(low-density lipoprotein:LDL)コレステロール由来の遊離コレステロールの細胞内輸送障害が病因であることが解明された(Niemann-Pick disease type C:NPC)。1991年にASMDの原因遺伝子SMPD1が同定され,1997年にNPCの95%の原因遺伝子NPC1が,2004年にはNPCの約5%の原因となる遺伝子NPC2が同定された(表1)。ASMDとNPCについて,それぞれ別記する。
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