Japanese
English
研究と報告
Pick病における錐体路病変について
On Pyramidal Tract Lesions in Pick's Disease
小阪 憲司
1,2
,
池田 研二
2
,
小林 一成
2
,
浜元 純一
2
,
松下 正明
1
Kenji Kosaka
1,2
,
Kenji Ikeda
2
,
Kazunari Kobayashi
2
,
Junichi Hamamoto
2
,
Masaaki Matsushita
1
1東京都精神医学総合研究所
2東京都立松沢病院
1Psychiatric Research Institute of Tokyo
2Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
Pick's disease
,
Pyramidal tract Iesions
,
Amyotrophic lateral sclerosis
,
Secondary degencration
Keyword:
Pick's disease
,
Pyramidal tract Iesions
,
Amyotrophic lateral sclerosis
,
Secondary degencration
pp.1171-1178
発行日 1985年10月15日
Published Date 1985/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204024
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抄録 pick病では錐体外路病変をみることは少なくないが,錐体路病変の報告はきわめて少ない。その錐体路病変については,文献的に1)筋萎縮性側索硬化症の合併とする報告と2)二次変性とする報告の二通りの報告がある。今回,筆者らは,錐体路病変に注目して15例のPick病の自験例を検索し,特異な錐体路病変を有する3症例を見出したのでその3症例を報告した。いずれもPick病の経過中に錐体路徴候が出現したが,臨床的には筋萎縮性側索硬化症の合併とは診断されなかった。神経病理学的には,内包から中脳に移行するあたりから始まり,橋・延髄・脊髄に至る錐体路に左右対称性の変性がみられたが,前中心回の変性は軽く,内包・舌下神経核・脊髄前角・前根などには病変はみられず,従来報告のない特異な錐体路病変であった。この錐体路病変の発生機序については不明であるが,Pick病変との関係が示唆された。
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