特集 成人患者における小児期発症慢性疾患
成人期における主な小児期発症疾患の病態・管理
神経・筋疾患 ミトコンドリア病
内野 俊平
1
,
三牧 正和
2
UCHINO Shumpei
1
,
MIMAKI Masakazu
2
1東京大学医学部附属病院小児科
2帝京大学医学部小児科
pp.1573-1577
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000396
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はじめに
ミトコンドリア病は,ミトコンドリアにおけるエネルギー産生低下により起きる疾患群の総称である。原因が核DNA上にある遺伝子の変異による場合とミトコンドリアDNA(mtDNA)の質的・量的変化による場合がある。臨床症状はエネルギー需要の高い神経・筋症状が主体となることが多いが,神経以外にも全身のあらゆる臓器の症状を合併しうる。重症度も,新生児期発症の重症例から成人期に発症する比較的軽症例までさまざまである。このように,一口にミトコンドリア病といってもその臨床像はきわめて多様である。
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