特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
真菌感染症
癜風
佐藤 友隆
1
SATO Tomotaka
1
1帝京大学ちば総合医療センター皮膚科
pp.1363-1365
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000342
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原 因
癜風は皮膚脂腺分泌の多い小児や思春期に生じるマラセチア属真菌の慢性感染症である1)。癜風では病変部に菌糸を認めることが特徴で菌糸形存在の病因は未解明である。マラセチアは脂質要求性の高いヒトの皮膚常在酵母様真菌2)で,犬猫の皮膚炎や外耳炎をひき起こす種もあり,その分布は海水や深海,南極の土壌に及び地球上でもっとも広く分布する真菌である3)。癜風に関与するマラセチアは人種や地域によって菌数や構成菌種が異なりわが国では主にM. globosaと考えられている4,5)。思春期は脂質要求性の高いマラセチア属真菌の増殖を促す6)。
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