Japanese
English
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異所性癜風の1例
AN ATYPICAL CASE OF PITYRIASIS VERSICOLOR
阿部 敏子
1
Toshiko Abe
1
1金沢大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Department of Dermatology and Urology, Medical Faculty of Kanazawa University
pp.995-996
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202092
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I.緒論
癜風は1846年Eichstedtがその病原菌を発見し,RobinはこれにMicrosporon furfurと命名し,Willanに依り始めて独立疾患として記載されたものである。而してこの発生は,温帯,熱帯の何れの地域に於いても見られ,主として青年及び中年の者を侵し,極めて表在性の円形落屑斑を形成するものである。従来癜風の好発部位は平常衣服に被覆され且つ発汗し易い部位,即ち腋窩,胸部,腹部,内股部,背部,頸部及び上膊部とし顔面,頭部には殆んど発生を見ないとされていた。文献を見るもその症例報告は実に稀である。私は最近当科を訪れた患者で,胸部,背部,頸部及び顔面,側頭部に及んだ癜風の1例に遭遇したのでここに報告する。
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