特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
薬疹
固定薬疹
福田 英嗣
1
FUKUDA Hidetsugu
1
1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科
pp.1308-1312
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000326
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はじめに
固定薬疹(fixed drug eruption:FDE)は特定の薬剤を摂取するたびに,同一部位に円形や楕円形の紅斑ないし浮腫性紅斑で発症し,色素沈着を残す薬疹である。薬疹は,体内に摂取された薬剤自体あるいはそれらの代謝産物が,種々の発生機転で皮膚や粘膜に異常を生じたものの総称である。薬疹の病型には,軽症型に播種状紅斑丘疹型や多形紅斑型,湿疹型,FDE,蕁麻疹型,光線過敏症型,扁平苔癬型などがあり,重症型にはStevens-Johnson syndrome(SJS)/toxic epidermal necrolysis(TEN)やdrug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS),紅皮症型,アナフィラキシー型,急性汎発性発疹性膿疱症などがある。一般的に小児では薬剤の投与機会が少なく,薬疹の発症頻度は低いが,成人と同様にさまざまな病型の薬疹が生じる。なかでもFDEは小児にもっとも多い病型である。
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