iatrosの壺
固定薬疹を見逃してはいないか?
横山 泰規
1
1吉田内科クリニック
pp.296
発行日 1996年11月30日
Published Date 1996/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905603
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慢性腎不全の透析患者さんは予想以上に頻繁に「かぜ症候群」に罹患するように思う(多い人で年5〜6回ぐらい).肺炎など合併症がないのを確かめて対症療法を行うが,3〜4日の総合感冒薬投与でほとんどが万事解決となる.
昨年の冬は寒波で,巷間,“かぜ”が猛威を振るった.透析歴が20年の47歳の男性が,前日からの関節痛と悪寒,鼻汁,咽頭痛を訴えた.37.4℃の発熱と咽頭粘膜発赤のほかに所見がないため,3日分の総合感冒薬(PL顆粒®)を処方した.次の透析の際には“かぜ”症状はほぼ快方に向かっていたが,左大腿と右手背に赤褐色の斑があってなんとなく痛がゆいという.「どこかでぶっけたみたい」と患者さんの自己分析もあって,その場は終わった.
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