特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
紅斑・紅斑症
Stevens-Johnson症候群
石川 武子
1
,
多田 弥生
1
ISHIKAWA Takeko
1
,
TADA Yayoi
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
pp.1304-1307
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000325
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原 因
広範囲に生じる多形滲出性紅斑(EM)であるEM majorの重症型で,EMと同じく,ウイルスやマイコプラズマなどの感染症,または薬剤などのアレルギーによって生じると考えられている。小児での発症はマイコプラズマ感染症によることが多く,Stevens-Johnson症候群(SJS)全体の27.6%を占めたとの報告がある1)。薬剤が原因となることは少ないが,原因が薬剤の場合は抗菌薬,解熱鎮痛薬,抗けいれん薬が多い。抗菌薬としては,セフェム系,ピリドンカルボン酸系,マクロライド系,ペニシリン系などが多い。解熱鎮痛薬ではロキソプロフェンナトリウム,アセトアミノフェン,イブプロフェンなどが多く,抗けいれん薬ではカルバマゼピン,フェニトイン,ゾニサミドなどが多い。ウイルスなどの感染症と薬剤の両方の関与が考えられる症例も多いと考えられている。
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