特集 外来でよく見る子どもの皮膚疾患―臨床写真で覚える!
紅斑・紅斑症
多形紅斑・多形滲出性紅斑
林 耕太郎
1
HAYASHI Kotaro
1
1帝京大学医学部皮膚科学講座
pp.1301-1303
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000324
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はじめに
多形滲出性紅斑(erythema exsudativum multiforme:EEM)あるいは多形紅斑(EM)は,類円形の紅斑で辺縁が浮腫により堤防状に隆起する,いわゆる標的状病変(target lesion)が臨床上の特徴である。病理組織学的には表皮真皮境界部の空胞変性と表皮細胞の壊死を伴う一つの症候群でウイルスやマイコプラズマなどの感染症,または薬剤などのアレルギーによって生じると考えられている1)。成人では薬剤性が多いのに比して,小児では感染症が原因となる割合が高く,なかでもマイコプラズマの頻度が高い。マイコプラズマ感染症に遭遇した場合はその後の皮疹の出現についても留意しておく必要がある2)。
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