特集 発達障害への多様な支援~あれが知りたい・これも知りたい~
さまざまな支援の場
思春期以降の支援
岡田 俊
1
OKADA Takashi
1
1国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所知的・発達障害研究部
pp.1144-1147
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000278
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はじめに
思春期は,児童期から成人期への移行期にあたり,身体的に急速な成長を遂げて体力的にも親と比肩するとともに,二次性徴を迎え,内分泌学的にも多大な変化のある時期である。心理的には,親への反抗,分離をきたし,仲間関係へ依拠する領域が多くなる一方,とくに神経発達症の子どもたちでは,仲間関係における傷つきやいじめの被害に遭うことも少なくなく,援助のない状況に置かれやすい。この時期は,精神疾患の好発年齢でもあり,より専門的な援助を要することも少なくない。思春期はいかなる時期で,どのような精神医学的ケアが求められるのか,そのなかで進学や就労といった現実的問題にいかに対処していくのか,支援の移行やそのゴールについて,紙幅の許すかぎり論じることとしたい。
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